小児科 すこやかアレルギークリニック

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初負荷試験
2013/01/05
2013年の診療がスタートしました。

昼ご飯を食べられないと覚悟していたのですが、冬休みに入ったせいでインフルエンザや胃腸炎の流行に歯止めがかかったためでしょう、思ったほど外来は混雑しませんでした。6日間のお休みを頂いたので、一気に忙しいと身体に鞭打って診療することになったはずで、さほど忙しくなくて良かったと思っています(笑)。

インフルエンザが流行してくると、院内感染を恐れ、負荷試験は休止することにしています。休み明けはスタッフが気を利かして負荷試験の予約を入れないことも多いのですが、希望者が多いからでしょう、2件予約が入っていました。

負荷試験は、食べられるかどうかシロクロを付ける検査です。いつも書いているように、アレルギー検査の数値が高くても、食べても何ともないことがあります。だから、食べさせてみなければ何も始まらないことになります。

当然、その逆もあります。数値が大して高くないのに、食べてみると立派に(?)アレルギー症状が誘発されるのです。昨日の負荷試験のうちの1件は、まさにそんな感じでした。

そのお子さんは、小麦の値がクラス2でした。小麦の負荷試験はうどんを100g食べられるかどうかをみるのですが、その患者さんの場合は、当院得意の小麦の加工品を食材として使いました。クラッカーを数枚食べさせるという方法です。

少しずつ増量していきましたが、予想外に蕁麻疹が出てきました。小麦がクラス2の場合、症状の誘発される確率は5%以下だったとするデータがあります。要は多くのお子さんが、食べても何ともないという状況です。

あとでお母さんに聞いたら、「これくらい食べられるだろう」と思っていたそうです。確かにうどん100gに比べれば、数枚程度のクラッカーで症状が出てしまったのです。医院で負荷試験をやって正解だったと思っています。

負荷試験によって、現実を見せつけられる結果となりました。 小麦アレルギーは結構強いと判断できます。お母さんも、目の前で見ていた訳ですから、事実として受け入れて頂くしかありません。言い方は好きではないですが、シロクロで言うなら、クロであることが判明しと言えます。

ただし、“負荷試験”はこれで終わりではないのです。

顔や首の他に身体にも蕁麻疹が出始めました。お母さんには、「小麦アレルギーは軽くないことが分かったけれど、出てしまった症状の対処法もよく見ていて下さい」と言いました。

当院の場合は、いかに症状を出さずに食べさせるかと言うことに重きを置いています。アレルギー症状が誘発されることは少ないのです。

まず、抗ヒスタミン薬を飲ませました。これは軽い蕁麻疹の対処薬であり、これで症状が改善してしまうこともよくあります。ところが、これだけでは改善しませんでした。その次の薬を使うことになります。

ただ、アナフィラキシーまでは至っていなかったので、エピペンと同じ成分の注射ではなく、ステロイド薬を飲ませることにしました。飲んでゆっくり症状は消えていきました。これで“負荷試験”は完了となります。

お母さんにしてみれば、万が一アナフィラキシーを起こしてしまえば、重ければ救急車を呼ぶということになります。アナフィラキシーという状態を見ていないので、対処は難しいと思うからです。

今回の負荷で、微量でも症状が誘発されてしまうことが確認されました。基本的には、小麦を含む食品は除去して頂くことになります。お母さんも目の当たりにしているので、除去はキチンをやって頂けると思っています。

人間油断してしまうこともあるでしょう。つまり誤食も起きることもあるのだと思います。蕁麻疹の対応であれば体験済みなので、もし同じような症状が起きれば、抗ヒスタミン薬やステロイド薬が手元にありさえすれば、充分に対処は可能になると思っています。

アレルギー症状が誘発されないことに越したことはありませんが、出てしまった場合は、このように対処法を学んで頂くチャンスとなります。

2013年の当院での食物負荷試験がスタートしました。ちなみに、この日にやったもう1人の方は何事もなく食べられることを確認しています。

今年は1人でも多くの「食べられるんだ」という笑顔を見たいと思っています。

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