小児科 すこやかアレルギークリニック

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来月の学会
2016/05/25
一昨日、日本アレルギー学会の学会誌が届きました。

いつもより分厚い本でした。来月東京で開催される学術集会で数多くの講演や発表がなされますが、その要旨をまとめられており、それで分厚くなっています。

その中に、私の名前も連ねてあります。そう、学会にエントリーしているのです。今回は、ポスターではなく、ミニシンポジウムでの発表となっています。

だいたい学会の1ヶ月前くらいに学会誌が送られてくるのですが、それを見ると俄然やる気が出てきます(笑)。

昨年は卵アレルギーの患者さんに対し、開業医でもできる負荷方法を提案させていただきましたが、今年は第二弾として牛乳アレルギーの患者さんへの負荷試験を述べる予定です。

牛乳アレルギーの患者さんに、牛乳を1、2mlから負荷するととんでもないことが起こることがあります。当院の経験ですと、わずか0.1mlで症状が出てしまう患者さんもいますので、不用意に1mlを与えてしまうとアナフィラキシーを起こす可能性があります。

負荷試験は、どれくらい摂れるのか全く分からない患者さんに行うものですから、最初は慎重に開始する必要があります。そこで当院では、ミルククッキーを用いて、何分の1枚から開始としています。

「乳成分を少なく含む加工品」→「乳成分を多く含む加工品」→「牛乳200ml」というように3段階に分けて負荷試験をやると、重症な人はクッキーから先に進めないことになりますし、重症でなければ次のステップに進めます。

もちろん、それなりに摂れるようなら、「乳成分を多く含む加工品」か「牛乳200ml」から負荷します。アレルギー検査が陽性で、どれくらい摂れるか分からない患者さんの場合、ミルククッキーから負荷することで、重篤な症状を引き起こさずに済ませられるということになります。

全国的に見て、開業医は負荷試験をやっていない割合が極めて高くなっています。多くの食物アレルギーの患者さんは、最初は開業医にかかるでしょうから、そこで良心的に専門医へ紹介があればいいのですが、大人の事情もしくは無理解で、負荷試験の存在自体が隠蔽されているのが現状です。

患者さんは、出鼻をくじかれた格好となり、専門医に出会うまで、多くの試行錯誤を繰り返すことになります。それを避けるためには、開業医に負荷試験をさせるのが一番だと私は考えています。

有名病院の専門医は、開業医に対し「紹介してください」と言っていますが、紹介=自院の患者が減ることを表します。開業医が好き好んで紹介することは、あまり期待できません。

そういうことなら、安全性を高め、開業医でもやりやすいような負荷試験の方法を伝授してはどうかと思うのです。開業医という立場で、こういう提案をしている医師は私くらいしかいないのではないでしょうか?。

今回は、ミニシンポジウムという形で、ちょっと大きく取りあげていただいたことはうれしく思っています。4月、5月と子ども達と遊びに行くことが多く、遊園地なんていくつ行ったでしょうか?。妙高サンシャインランド、サントピアワールド、ミラージュランド、東山動植物園の遊園地、富士急ハイランド、ディズニーランドです(汗)。

そろそろ、来月の学会の準備に本腰をいれなければと思っています。

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