小児科 すこやかアレルギークリニック

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時間がない
2016/06/27
昨日は、子ども達とマリンドーム能生へ。

2週連続で学会発表があり、遊ぶことができなかったからです。マリンドーム能生では、イベントがあり、多くの人がカニ食べ放題を楽しんでいたようです。子どもはクレープ、私は岩ガキを食べました。

その後は、今シーズン最後のイチゴ狩りに。私の行ったイチゴ園は昨日が最後の営業日でした。それからボーリングに行きました。

最近、この水曜日の一般の方へのアレルギー講演について触れています。いつも園や学校の先生にお話ししている内容と異なるため、スライド作りに余念がありません。子ども達と遊ぶ時間以外は、ほとんどの時間を当てています。

最近書いていたのは、経皮感作とアレルギーマーチのことでしたね。アレルギーの体質があれば、アレルギーマーチに沿って病気を発症することが多いので、それを対策に使うことができます。

つまり、アトピー性皮膚炎があった場合、食物アレルギーが心配されます。当院では離乳食開始前にアレルギー検査を行っています。

これについても、いろんな医者が好き勝手なことを言っています。アレルギー検査は2歳にならないとできないとか、全く根拠のないことを言う医者もいます。卵やミルクはわりと早期に上がってくることが多いので、検査をさせていただき、離乳食にそれらを使えるかどうか考えるようにしています。

以前経験したケースですが、アトピー性皮膚炎が見逃され、食物アレルギーを疑える状態にもかかわらず、医師が検査をせず、8ヶ月頃に卵を初めて与えた時に、赤ちゃんが機嫌が悪くなり、じんましんが一気に全身に広がり、その後意識消失したケースを経験しています。私はこれは医者の責任だと思っています。

医師が責任を持って注意深く観察していれば、事前にアレルギー検査をすることで避けられたのではないかと考えています。検査が陰性なら、基本的に除去する根拠がないということになると思っています。陽性の場合は、除去した方が無難でしょうが、先進的な医療機関では少しずつ食べさせるようです。こういった話も講演の中で取り入れていこうと思っています。

早期対応という点ですが、アトピー性皮膚炎は少なくとも2ヶ月間の経過観察を要します。つまり、生後1ヶ月の時点で、アトピー性皮膚炎とは診断できない訳です。しかし、当院では、早期から経皮感作を防ぎたいと考えており、場合によっては治療に取り掛かることがあります。この辺の話もしようと思っています。

また、アレルギーマーチの考え方から、アトピー、食物アレルギーときたら、次はぜんそくでしょう。ぜんそくも初期には多くの小児科医が“風邪”と診断しています。症状から風邪か否かは区別できることが多いのですが、ほとんどの小児科医が「咳」=「風邪」と考えているところに無理があります。

風邪薬で良くならなければ、風邪じゃないと考えるべきなのですが、風邪という発想が頭から離れないのでしょうね。そうやって患者さんに迷惑をかけている訳です。しかもそうすることで利益が上がってしまいます。

この辺の見極め方なども触れる予定です。経皮感作はEU離脱問題でもめるイギリスの小児科医が提唱しましたが、アレルギーの発症の規則性を発見したのは日本の小児科医です。キメの細かい医療をやってこそ、小児科医だと思っているので、経皮感作を押さえた上で、アレルギーマーチに注目しながらどう早期対応していくのかという話をするべく、スライドを作成中です。

時間がないとはいえ、だいぶ形になってきました。もうひと頑張りしたいと思っています。

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