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適正
2016/08/25
昨日は、ダブリン市内を観光しましたが、その中でトリニティ大学の「ケルズの書」を見学してきました。

トリニティ大学は、現在でも大学として機能しており、医学部もあるのだそうです。最近の話ですが、この医学部に600点満点で大学初の600点をとった学生がいたそうです。

選抜は、学力試験と適性試験からなり、驚いたことに適性試験で落とされたそうです。よほど適正に問題があったということなのでしょうが、日本ではこんなことはないのではないでしょうか?。

受験生の適正を見極めることは、医学部の教授にできるかと言えば、難しいと予想されます。能力のある若い人の人生が変わってしまった訳です。医学部の教授も苦渋の決断だったのだろうと予想しています。

以前も書いたことがありますが、学校の先生は教師に不適格と判断されると、教師を辞めなければならないシステムがあります。一方、医師にはありません。

某国立大学の外科医の手術した患者さんの死亡が相次ぎ、問題になっています。複数の尊い命が失われ、遺族の会も結成されているようです。この医師は、適正に問題がある可能性はありますが、大学は辞めているものの、医師は辞めていないようです。遺族会からは、医師免許剥奪の声も上がっていますが、そうはなっていません。

問題を起こしても、なかなか医師を辞めさせられないシステムが日本にはあるからだろうと思っています。

患者さんからすれば、医師は皆、最新の知識を持ち合わせ、近所のかかりつけも大学教授も同じようなレベルの診療を行っていると思っていると思います。

しかし、Aという医者に行ってこう言われ、Bという医者に行って別のことを言われたなんてことはよくある話です。また、医者を代えたら、病気がよくなったという話も聞きます。

つまり、医師のレベルは医師の努力によってどうにでも変わってしまうということです。患者さんが一方的に信用しているだけということもあります。

医師は、医療を行うにあたって正直に、誠実であるのは、必要最低限のことだと思っています。ところが、現実はウソをついたり、知ったかぶりをしたり、対応できないのに専門医に紹介しなかったり、かなり問題があります。

当院はアレルギーに力を入れていますが、いつも言っているように、誤診をして、効かないような薬を出し続けている医者も少なくありません。

私は、患者さんが良くなるために、努力しているつもりです。良くなっていないのに、同じ薬を出すことはまずないです。アレルギー以外でもです。治っていないのに、同じ薬を出すのは医師が「治って欲しくない」と思っているからにほかなりません。確かに、治ってしまえば来なくなるので、治らない方が医院は儲かるのです。

「放っとけば治るだろう」なんていい加減な気持ちがあり、自分の診断や治療に何の疑問を持たないと、こういうことができるのだろうと思っています。特にアレルギーは、ただでさえ慢性の病気で、治りにくいものです。

誤診され、効かない薬を延々と出され、結果的にも医院が儲かるなんてことが全国各地で繰り広げられています。患者さんは、この事実をどう思われるでしょうか?。適正に問題があるとは思われないでしょうか?。

そういう医師達も、若い頃は医療に高い理想を持っていたのだろうと思います。開業して、同じような毎日で、忙しいことを理由に、良くなっていない患者さんに同じ薬を出し続けてもほとんどの患者さんが文句も言いません。そういう毎日に、医師達が変わってしまったのでしょう。

どういう訳か、患者さんの信頼はそうは揺らぎませんから、そういった弱みに付け込み、利益優先の医療をやっている医師を大勢知っています。現状ではこういう医師を良心的に変えることは困難だと思っています。

となると、患者さんが医師を信用し過ぎることをやめて、その医師の医療を冷静に評価しようとすることだと思います。近くにかかりつけ医を見つけることは大切だと思います。

風邪や胃腸炎などは医師の差は見いだしにくいものです。良くならない時にどう対応するかが、医師を見極めるチャンスだと思います。そりゃそうですよね。困った時にこそ頼りになるのがかかりつけだと思っています。

患者さんは、自分の身を守るために、かかりつけ医の適正を見極めて欲しいものだと思っています。

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