小児科 すこやかアレルギークリニック

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インフルでなければ
2017/02/18
インフルエンザが、ここ上越でもそれなりに流行しています。

熱が出たお子さんは、まずインフルエンザを疑わなければならないと思っています。園に行ってもいない赤ちゃんが突然熱を出して受診され、家族にもインフルエンザがいなくても、念のため調べてみると、インフルエンザが出たこともあります。どこからもらったのか、よく分からないこともあります。

インフルエンザを調べて、陰性だと「風邪だね」と決めつける医者はヤブだと思います。検査キットの限界もあり、インフルエンザがたまたま出なかったこともあるかもしれませんし、インフルエンザ以外と分かっただけで、それ以外の感染症を考えないといけません。

大きい子で、熱が続き、咳もひどければ、私ならマイコプラズマを疑います。その場合、聴診で肺の音が悪かったりします。これまで、他の医者でインフルエンザを調べて陰性で、その後の熱が続くため、心配で当院を受診されて、マイコプラズマを見つけたお子さんが何人もいます。

よくのどを診ると、全体的に赤くて、アデノウィルスが出たり、溶連菌が出ることもあります。

先日、受診された10代の男の子は、インフルエンザを調べても陰性で、咳も多かったため、マイコプラズマを調べましたが陰性。採血させてもらうと、CRPという炎症反応が6.3だったかな。ウィルス感染では、ここまで上がらないことが多く、細菌感染かなと考えました。

実は、ウィルス感染で、CRPが跳ね上がることがあります。一般的にはアデノウィルスが多いと思います。原因を突き止めたくて、アデノも調べましたが、陰性。過去にヒトメタニューモウィルスが高かったこともあり、これも調べましたが、陰性。

熱が続くと、咳がひどければ肺炎も心配です。レントゲン写真はキレイで、肺炎はありません。以上のことから、細菌による気管支炎と診断しています。

ウィルスなら抗生剤は効かないので、細菌感染と考えて、しかも抗生剤を内服させても効かない場合に、点滴から抗生剤を入れるようにしています。当院では、無駄な点滴はしないと決めています。

そうそう、今シーズンもぜんそく発作で外来点滴は1回も実施していません。点滴が多いということは、ぜんそく治療が下手くそということが多いようです。

今回の患者さんに抗生剤点滴をし、翌日受診していただきました。上手くいくと翌日にはストンと解熱します。結果は、熱は下がっていました。

今回の件で、熱が何にも下がらず、学校も休んでいる状況でしたが、週明けから登校できそうかなと思っています。

入院も頭をよぎりましたが、外来治療を希望されましたので、となれば入院を避け、通院で改善させるのが開業医の役目。何とか任務は果たせそうかなと思っています。

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