小児科 すこやかアレルギークリニック

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発症予防
2017/02/21
日曜に食物アレルギー研究会がありました。

今回、一番注目されていたのは、食物アレルギーの予防についてかなと思っています。そりゃそうですよね。食物アレルギーは卵なり牛乳を必死になって除去しないといけないため、発症予防できたに越したことはありません。

よく言われるのが、母が妊娠中や授乳中に卵や乳製品を除去すれば、食物アレルギーを減らすことができるのかと以前は盛んに研究されていましたが、効果が否定されるに至っています。

また、離乳食開始を遅らせることも検討されましたが、これも発症の危険性を減らすことにはつながらないとされます。加水分解ミルクについても、予防効果は証明されていないようです。

数年前のヤフーニュースにも出ましたが、わが国発の研究で、アトピー性皮膚炎発症のリスクの高い赤ちゃんに対し、生後1週間から8か月にかけて保湿剤を塗り続けたら、アトピー性皮膚炎の発症を3割減らすことができたというものがありました。ただし、卵の数値が上がるなどの感作については、差がなかったという報告もあります。

なかなか食物アレルギーの発症予防って難しいようです。

今回の講演の中で、海外でも盛んに卵を早期から食べさせる研究が行われており、その結果が解説されていました。生後早期から卵や乳、小麦、ピーナッツなどを食べさせ、その効果をみる研究がありました。卵とピーナッツのみ有効だったという結果でした。

その一方で、離乳食で卵を多く食べさせる研究もありましたが、かえって発症を増してしまった結果が出たものもありました。やみくもに卵を与えればいいというものでもなさそうです。

昨年12月に公表された日本の成育医療センターのデータは、少量の卵を与えたのと、アトピー性皮膚炎に対ししっかりと治療したのがよかったのでしょうか?。

世界中の研究者が、食物アレルギーの発症予防について必死になって研究しています。私などはその有効な方法の解明を待つしかありません。ただ、今できそうなこと、つまり湿疹の治療と少ない量の卵を食べさせることはやっていこうと思っています。

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