小児科 すこやかアレルギークリニック

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こんな研修会が増えて欲しい
2017/03/23
最近は、かなり忙しいです。

休み明けの影響もあるのでしょうが、一昨日は200名以上の受診があり、新規受診も10名ほどありました。困り果てた患者さんには、時間をかけなければなりませんし、かからないはずがありません。診療が終わる頃には、20時にさしかかっていました。

アレルギー診断の記載を求められることも多く、何を食べていて、何を食べていないかを明らかにしないといけないし、負荷試験が必要と判断されれば、負荷試験の説明もしないといけません。

卵アレルギーがあったりすると、ピーナッツやソバ、甲殻類などを何となく除去しているケースもあるようで、卵除去を記載すればいい訳ではないのです。クルミやカシューナッツも食べられるか否か確認したいところです。

そんな中、昨日隣の街で、3園合同の食物アレルギーの研修会がありました。昨日も触れましたが、その園には私がエピペンを処方している患者さんが通っており、食物アレルギー対策をより知っておいて欲しいということで計画されたようです。

最初は食物アレルギーの基礎知識や誤食時の対応などをお話ししますが、私が主治医なのですから、該当の患者さんがいかに重症かを園の先生方に知っておいていただかなければなりません。

患者さんによっては、アナフィラキシーを起こしたいきさつを話し、どうすれば防げたのか私の考えをお話しします。別の患者さんですが、卵クッキー程度でアナフィラキシーを起こし、入院したことがあるそうです。卵焼きを食べたならまだしも、卵成分を少量しか含まないものを食べてアナフィラキシーを起こす患者さんは、要注意と言えます。もちろん、エピペンを持っていていただかなければなりません。

当院にかかるようになり、いろいろ問診し、私がどう考え、どう対応しているかをお話しします。先程も述べたように、こういう患者さんは、他のものもつい避けていることが多いので、それらをピックアップし、それらについてもアレルギー採血を行います。

必要があれば、負荷試験を行い、クラス0でリスクが極めて低いと思えば、自宅で食べてもらい、食べられるものを増やす努力をしています。

また、アナフィラキシーを起こした食材でも、「薄いものなら食べられるのでは?」と加工品を用いて負荷試験を行っています。例えば、その結果をもとに、牛乳アレルギーなら、「この患者さんは牛乳1ml相当なら摂取できます」と話しています。これだと、同じ製造ラインうんぬんという紛らわしい表示の食品は、問題なく摂れるはずです。

ということで、世の中に食物アレルギーの研修会というものは星の数ほどあるでしょうが、主治医が患者さんの重症度を園や学校の先生に説明する機会はほとんどないのが現状ではないでしょうか?。

私はそれにこだわっています。こういう研修会が増えて欲しいなと思っています。

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