アトピー性皮膚炎の指標に、「TARC」というものがあります。 アトピーの状態を数値化したものといった感じでしょうか?。要は、アトピー性皮膚炎の湿疹がひどいと数字が高くなり、治療して改善すると数字が低くなり、治療をさぼって湿疹がぶり返すと数値もまた上がるという代物です。 先日、皮膚科にかかっていた大人のTARCが通院治療していたとは思えないくらい、高かったという話をしました。0歳(6か月以上、12か月未満)では1367以下が基準値とされます。 学会側は、5か月以下のTARCを設定していないのです。注意深くアトピー性皮膚炎を診ていると、生後1か月で出ていることがかなり多いようです。 その辺は、日本の第一人者は診ていない領域ですし、開業医などが「はい、乳児湿疹ですね」と何の疑いもせずに決めつけているので、アトピー性皮膚炎の多くが生後1か月に出現していることは、誰も知らないのかもしれません。 生後1、2か月でTARCが高いと学会発表で注意喚起しても、見て見ぬ振りをされるか、この月齢は高くて当然というようなことを言われ、誰も見向きもしません(涙)。当院のデータでは、生後1、2か月で湿疹があり、アトピー性皮膚炎を疑った場合、経過を追うとほぼ全例がアトピー性皮膚炎になっています。8割くらいはTARCが高い状況です。 TARCが高いとアトピー性皮膚炎を疑う指標になると、繰り返し発表しても、日本の第一人者は「TARCは当てにならない」と否定してきます。これだけデータを示しても、耳も貸さないようです。 いや、いずれ私の言っていることが正しいと考えられるようになる時代がくると信じています。 |
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