小児科 すこやかアレルギークリニック

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呪縛
2019/01/17
昨日も水曜午後を利用し、講演に行ってきました。

後半は、誤食時の対応についてでしたが、前半は発症予防と治療についてお話ししてきました。

食物アレルギーには、“治療”はないと考えられてきました。除去して、症状を起こさないことのみでした。

ところが、比較的最近になんって、ラック先生の皮膚から入るとアレルギーを起こすが、口から入ると寛容するという仮説が正しいことが分かってきました。

今では、食物アレルギーを詳しくない医者でも、「少しずつ食べさせなさい」なんて言うようになりました。この“少しずつ”とは、重症では微量から、軽症ならそこそこ食べていくという感じで、さじ加減が重要です。

多くの小児科医が、あまり良心的でないため、食物アレルギーを甘く見ているため、さじ加減も知らずに、「少しずつ」なんて患者側に丸投げしています。その結果として、食べさせて事故を起こしたり、怖くて食べないことを続けて、食べられなくなっていくように思います。

昨日は、その“さじ加減”についても、少しお話ししてきました。食物アレルギーを治したいなら、食べさせていくしかないと考えています。唯一の治る方法から背を向けて、除去を続ける方が問題だと思っているからです。

あと、学会の推奨するプロバビリティカーブを、真に受けてはいけないとも話してきました。学会もアレルギー採血の結果は絶対ではなく、参考程度にしなさいと言っている割に、プロバビリティカーブは別格に扱われているような気がしています。クラス6だから、100%症状が出るなんて、真っ赤なウソだと思っています。

ということで、アレルギー採血やプロバビリティカーブの“呪縛”から離れることの重要性を強調してきました。こんな研修会はないでしょうね(笑)。

早期発見・早期治療がその後の経過を左右するでしょうから、今後はこういうことも強調していかなければならないと考えています。

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