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困ること
2021/05/17
この場で、食物アレルギーのことを書く機会が多くなっています。

一応、伝えたいことがあるから、田舎の開業医がこの場で書いている訳ですが、それは食物アレルギーの対応が医師によって180度違っているからです。

私は、長年食物アレルギーの診療に携わってきて、安易な除去が一番よくないと考えるに至りました。これは専門医であっても、少しでも摂れないと除去を指示してしまうことがあります。

専門施設の医師が言ったとしても、除去は正しくないと考えています。ましてや、非専門の詳しくない医師ほど、「とりあえず除去」なんて言っています。

個人的には、除去なんてせずに、最大限少しでも食べる努力をすべきだという結論に至っています。

病気は、100%治すことなんて不可能かもしれませんが、目の前の食物アレルギーの患者さんは100%治そうと挑んでいるつもりです。

食物アレルギーは、長年除去を続けていると、より重症化していることもあるし、さらに精神的に苦手意識が強くなり、まったく口にしてくれなくなります。こうなると、もはや治療は不可能ではないかと考えています。

その手前にあれば、最大限に治す努力を払うべきでしょう。その方針でやってきて、食物アレルギーは「かなり治る」という印象を持っています。

そんな中、0.1mlも摂れないような牛乳アレルギーはなかなか難しい。意地でも完全除去になんてしていないけれど、卵や小麦と違って、徐々に増やしていくということが困難なことが多いようです。

食物アレルギーに関して、自分のやり方で多くの患者さんに対応してきたはずの私が、一部の治療困難なケースにおいては、正直困っているのです。

食物アレルギーと言えば、「とりあえず除去」と指導している医師は、何ら困っていないと思われます。その証拠に、専門医に紹介することもまずありません。

そんな医師から逃げて来られる患者さんも少なくありません。患者さんの治したいという気持ちに応えられるよう、あらゆるケースに準備しておかなければならないと考えています。

この“困ること”自体が、医師を突き動かす原動力になっているのだろうと思っています。

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