一般家庭の室内を掃除してみると、ホコリの中に卵成分が検出されるそうです。 「経皮感作」と言って、皮膚に卵が付着し、体が「卵という“敵”が攻めてきた」と感じ、卵の抗体を作ってしまう訳ですが、皮膚を清潔にしているつもりでも、知らない間にホコリが皮膚に付着してしまえば、卵アレルギーに傾いてしまうということなのだと思います。 ただ、皮膚にアトピー性皮膚炎の“湿疹”があればということであって、“湿疹”がなければ感作を受けにくいということなのだろうと理解しています。 食物アレルギーにこだわった診療をやっていると、アトピー性皮膚炎を見逃さずに、早くから“湿疹”を治療してしまえば、経皮感作を防ぐことができるのでは?と考えるようになります。 当院は何年か前からこの課題に取り組んでいます。 取り組んでいきての印象は、効果はあると思います。経皮感作を減らすことは可能だと思います。ただ、全員にそれができるかと言われると、受診のタイミングというのも大きいと思います。 “湿疹”があって受診される訳ですから、受診の時点で卵なら卵白が上がっている、もしくは上がりかけていることもあるからです。相当早いタイミングで受診していただかないと経皮感作を抑えきれないと思います。 また、アトピー性皮膚炎の治療を油断してしまうと、ちょっとしたスキをつかれて卵白が陽性になってくることもあります。 経皮感作は、なかなか抑えきれないというのが、取り組んできた私の意見です。 |
<<前の記事 | 一覧 | 次の記事>> |