小児科 すこやかアレルギークリニック

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2009/07/11
ここ2週間で4人の赤ちゃんを病院に紹介しました。

「尿路感染症」という病気があります。文字通り、尿の通り道に感染を起こしてしまう病気です。膀胱炎や腎臓にまで細菌が及ぶ腎盂腎炎もこの病気に含まれます。

実は、4人とも「尿路感染症」の赤ちゃんでした。

当院は市内では知名度は最も低い医院ですが、乳児のアトピー性皮膚炎を大勢診ています。生まれて間もないお子さんが病気になるのです。親御さんは、いてもたってもいられない程不安になるものだろうと思います。キチンと説明して、どう治療すべきか理解して頂く努力は最大限にしているつもりです。そういう姿勢を評価して頂いているのか、最近はアレルギー以外の患者さんもかなり増えました。

発熱で受診される赤ちゃんでは、いわゆる風邪も多いのですが「尿路感染症」もそれなりの頻度で混じります。それを見逃さないのがプロだと思っています。乳児の「尿路感染症」の30〜40%に“逆流”が見つかると言われています。生まれつき、細菌が腎臓に運ばれやすい構造になっているケースもあるのです。それを的確に診断しなければなりません。

しかし、この逆流は医院では調べることができません。大きな病院でないと検査は不可能なのです。となると開業医の役目は、「尿路感染症」を確実に診断し、逆流の存在を疑って病院に紹介することだと思います。たまたまでしょうが、「尿路感染症」が4人続いたのです。

生後3か月未満の発熱は入院が“原則”です。2時間程の外来治療で改善のないぜんそく発作も入院が“原則”です。他にもいろんな“原則”があります。この原則が守られていないケースも少なくなく、患者さんを手放さないように抱え込んでいると思われるところもあります。

何でも開業医でできてしまえば、「入院」は必要なくなります。でもそんなことは有り得ません。開業医は自分のできることとできないことをわきまえて診療すべきでしょう。適切な役割分担が地域医療には求められていると思っています。

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