小児科 すこやかアレルギークリニック

病院からのお知らせ

病院からのお知らせ

4月24日14時から院内勉強会
2010/04/09
当院は、他の小児科の医院とはかなり患者構成が異なると思います。

食物アレルギーの患者さんだけで、何百人いるのか把握していません(汗)。頼られたからには、ひとりひとりに自分の持てる知識で対応しているつもりです。

年齢的には小学生や中学生もいますが、頻度から言って0歳から1歳が最多です。特に赤ちゃんが生まれてまもない0歳時にアトピー性皮膚炎や食物アレルギーと診断されることは、親御さんにとって辛いことだと思います。そこも考慮に入れなければなりません。

食物アレルギーと診断されると、特に勤務医の場合は離乳食の進め方を病院の栄養士に依頼することもあるでしょう。しかし、私の知る限り、栄養士で食物アレルギーの専門的知識を豊富に持っている方は極めて少ないと思います。

ある医院さんの栄養士から「米アレルギーがあるから離乳食はうどんで進めて下さい」と指導されていたお母さんがいてビックリしたことがあります。申し訳ないですが、小児科医が食物アレルギーに関して詳しくないと、栄養士も的確な知識をなかなか持てないと思うのです。

開業医になると、普通は栄養士はいませんから一人で対応しなければなりません。一般的には、アレルギー検査で卵や乳などが陽性の場合は、それらを食べないように指導されていると思います。中にはご丁寧に「母乳をやっているお母さんも卵は食べてないけない」なんてあまり必要のない指導までなされているケースもあります。往々にして過剰な除去が指導されており、尚更説明が必要なはずなのに代替食や調理法まで語られていないと思います。

本来なら栄養面まで配慮した栄養指導が望ましく、私自身もその点が弱いことは自覚しているつもりです。私の研修先の病院では、日本の第一人者の先生と食物アレルギーを熟知した栄養士のコラボレーションできめの細かい指導がなされていました。だからこそ、自分の指導が足りないことを理解しており、いずれは私もそうしなければならないと思っています。

全国の食物アレルギーの患者さんで、専門病院にかかっており、手取り足取り指導を受けてられている方は極めて少ないと思われます。どちらかというと、大した指導も受けておらず、どう食事を進めていっていいか分からない方が多いように思います。

多抗原陽性の患者さんで、周囲に相談できる人間もいないため、困り果てて市外から当院を受診される親御さんもいます。私が満足できる対応ができているか分かりませんが、極めて重症な場合は、それ以上に重症で日々頑張っているお母さんを紹介することもあります。それもひとつの方法と考えており、そちらの方が一番聞きやすく、情報交換もできるのではないかと思います。

世の中には恵まれた環境にない患者さんが多いのが現実でしょうから、それを考慮してか厚生労働省が「食物アレルギーの栄養指導の手引き」を作成しました。医師も患者さんも、この冊子の存在自体も知らない方がほとんどだと思います。薄い冊子のため、事細かに書いている訳ではありませんが、コンパクトにまとめられており、主要アレルゲンの除去食品別の栄養指導の要点も書かれています。卵、ミルク、小麦、大豆についてはより具体的な解説もなされています。

今回はこの手引きに基づき、「食物アレルギーの栄養指導について」という題目で解説したいと思っています。4月24日の14時からを予定しています。卵やミルクなどの除去に困っている方々の参考になればと思っています。

<<前の記事 一覧 次の記事>>